ボイジャー1号,太陽系脱出
2013_09_13
 1977年に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の探査機「ボイジャー1号」が12日,人工物体として初めて太陽系を完全に出たことが確認された。米アイオワ大とNASAの研究者らによる観測データの分析で,陽子などからなる「太陽風」の届く領域を2012年8月に抜け出たと認定された。
 ボイジャー1号は現在,太陽から約187億キロ付近を時速約6万キロの速度で飛行中。すでに太陽の重力圏からは出て,太陽からの陽子なども劇的に減り,後は「太陽風の届く範囲を超えた」と,どのように認定できるかが焦点だった。
 米科学誌サイエンス電子版に12日発表された論文によると,太陽系から抜け出れば,宇宙を飛び交う宇宙線に由来する電子などの密度が急上昇すると考えられる。今春に送ってきたデータから電子の密度を分析したところ、太陽系外の恒星間に広がる「星間空間」で想定された値にすでに達していた。逆算すると、昨年8月25日ごろに太陽系の末端を通過したとみられるという。(ASAHIより)
  
NASA