巨大コロナホール
2013_07_24
 太陽観測衛星SOHOが,太陽の北極付近に現れた巨大なコロナホールをとらえた。これまでにとらえらえたコロナホールの中でも最大級のもののひとつで,太陽の表面の4分の1ほどを覆い隠すように見えている。
 コロナホールとは,太陽のもっとも外側の大気であるコロナに見られる,低密度で暗い領域である。物質はほとんど含まれておらず,温度が低いため周囲よりもはるかに暗く、X線で観測するとまるで穴が開いたように見える。太陽の代表的な特徴のひとつで,太陽の活動に応じて異なる場所に現れたり,出現頻度が変化したりする。
 太陽の活動サイクルは約11年と考えられており,現在は極大期に向かっていて活動が活発化している。この時期には,コロナホールの数は減少する。
 極大期になると太陽磁場が反転し,新たなコロナホールが太陽の両極付近に現れる。その後,太陽の活動が弱まっていくと,コロナホールは大きくなり数が増え,両極から遠くへと広がる。今回とらえられたコロナホールよりも大きなものが現れることもある。
 コロナホールは高速太陽風の源で,そこから吹く太陽風はほかの領域から吹く風の約3倍も速い。宇宙天気を理解する上で重要な要素であるコロナホールだが,その形成要因はまだよくわかっていない。(AstroArtsより)
  
NASA