2年前にできた火星の天体衝突痕
2013_05_15
 NASAの探査機「マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)」の観測で,新たに248個のクレーターが火星の地表に見つかった。異なる時期に撮影した画像を比較して黒っぽい点が現れた箇所を,MROの高解像度カメラで詳細に確認したものである。
 こうした衝突痕を残す隕石は1~2m以下のものがほとんどで,地球なら燃えつきてしまうが,火星の希薄な大気なら地上まで到達するサイズである。
 1区画での統計をもとにした米アリゾナ大学のIngrid Daubarさんらの推計では,3.9m以上のクレーターが火星全体で年間200個形成されているという。こうした衝突頻度の見積もりは,火星に見られる地形がいつできたかの手がかりになるし,それを生み出したかもしれない過去の気候変動を知ることにもつながる。
 「できたてほやほやのクレーターが見つかったのはすごいことです。火星は変化のある生きた天体で,現在進行中のプロセスを調べることができるんです」(Daubarさん)と。(AstroArtsより)
  
NASA