火星探査車キュリオシティは先週6日,ゲールクレーター内の盆地「イエローナイフ湾」にある平らな岩石に,初めて試験用の浅い穴を開けた。この岩石は,2011年に死去した副プロジェクトマネジャーにちなんで「ジョン・クライン」(John
Klein)と名付けられている。
続いてその2日後,サンプル採取用の本番掘削にのぞんだ。「わたしたちは、いっぱいの深さまで掘れるようにコマンドを送信しました。じゅうぶんな量のサンプルが得られたはずです」(ドリルエンジニアのAvi
Okonさん)。
今後,地上のコントロールセンターから探査車にコマンドが送信され,サンプルの分析が段階的に進められる。岩石の粉末はキュリオシティの装置内部でふるいにかけられ,150μm(0.15mm)以上の粒子がとりのぞかれた後,「SAM」および「CheMin」と呼ばれる分析装置を使って詳細に調べられる予定である。その分析から,かつて火星に水のある環境が存在していたことを示す新たな証拠が得られるかもしれない。(AstroArtsより) |