テティス
2012.12.04
  テティスは,決して大きさは小さくはないが,土星と比較するとかなり小さく見える。さらに土星の輪と比較するとテティスはとても小さく見える。テティスの大きさは1,062Km。このイメージの左上。赤道に対して18°傾いている。
 このイメージはカッシーニ宇宙船広角度カメラで2012年8月19日に撮られた。 視界は,土星から,240万Kmの距離から撮られた。
NASA
 名前はギリシャ神話の巨神族(ティーターン)の1人テテュスにちなが,天体としてのTethysにはテテュスではなくテティスという片仮名を当てるのが一般的である。また,ギリシア神話には,この天体の由来となったテテュス(Tethys)とは別にテティス(Thetis)というニンフが登場する。片仮名にすると表記が同じだが,こちらは衛星とは関係がない。
 テティスの密度は低く,ディオネやレアと同じように,珪石等の岩石を含む氷が主成分である。最近の研究でテティスが異常に白く,光の反射率が高いのは同じ土星の衛星エンケラドゥスから吹き上げられた氷がその表面に漂着したせいではないかとする説がでてきている。
 進行方向側の半球の赤道部分には,両極より温度が低い地域がある。この領域はテティスの公転に伴って高エネルギーの電子が衝突し続けるため,地表の氷が硬い氷に変化して熱が逃げやすくなっていると考えられている。同様の温度分布は同じ土星の衛星であるミマスでも見つかっている。
 テティスにはオデュッセウスという巨大なクレーターが存在しその大きさは衛星直径の40%に及ぶ。また,イサカ・カズマ(幅100km、深さ3-5km、長さ2000km)と呼ばれる巨大な峡谷もあり,これもテティスの円周の75%の大きさがある。
 テティスが誕生した頃、テティスはまだ完全には固まっておらず液状であった。オデュッセウスもそのころできたと考えられ,そのためこのクレーターは月や水星のクレーターと比べて平坦である。また,冷えて固まった時巨大な渓谷,イサカ・カズマができたと考えられる。(ウィッキーペディアより)