棒渦巻き銀河
2005_01_10
 
 NGC 1300は,エリダヌス座の方向約6100万光年離れた棒渦巻銀河である。直径は11万光年で,我々の銀河系よりも少し大きい。このイメージはハッブル宇宙望遠鏡によって2004年9月に撮影された。青(中心波長435nm),可視光(555nm),赤外線(814nm),水素α(658nm)の4つのフィルターを組み合わせて撮影されたものである。解像度はこれまでで最も良く,銀河の腕,銀河円盤,銀河バルジ,核等が見える。腕の中には青色巨星,赤色巨星や星団,星の形成領域等も見られる。背景にはさらに遠方の銀河がいくつもある。
 渦巻き構造の中心部は,核が直径約3300光年の独自の円盤を持つ大規模構造をとる。大きな渦巻を持つ銀河だけが,このような二重の構造をとる。モデルによると,ガスが中心部に向かって集まり,中心のブラックホールからエネルギーを得て渦を形成する。しかし,NGC1300が活性な核を持つことは知られていない。
 NGC 1300は,棒渦状星雲に原型であると考えられている。 棒渦状星雲は,銀河の腕が中心へ伸びない。中心核を含んでいる星の直線の棒の終わったところに接続され,渦状銀河と異なる。
 ハッブルで撮られたイメージは,詳細に銀河の腕,円盤,および核全体にわたって見ることができる。 青い超巨星および赤い超巨星,星団および星を生ずるところは,渦巻腕を横切ってよく見ることができる。また,チリの溝は,円盤と棒の微細構造を見せてくれる。

 巻銀河のうちの約半数は,銀河の中心部分を横切るような棒状構造を持つ。この構造は,円盤の内外で物質が移動する道のようなもので,銀河の進化に重要な役割を果たしており,とくに中心領域においては星形成を引き起こしているかもしれないと考えられている。しかし,棒状構造の有無が何によるものかはわかっていない。
赤い渦巻銀河は青い渦巻銀河に比べて、棒状構造を持っているものが約2倍存在していることが明らかになった。銀河の色には意味がある。青い色は若い高温の星の放射によるもので、銀河で大量の星形成が進んでいることを示している。一方,赤い色をした渦巻銀河では星形成が止まっており,存在するのは年老いた低温の星になる。

 英・ポーツマス大学の宇宙・重力研究所(ICG)のKaren Masters博士率いる研究チームは、ボランティア参加型の銀河分類プロジェクト「The Galaxy Zoo 2」のデータを利用して,棒状構造と銀河の進化に関する研究成果を発表した。(2010_11)
 研究チームでは,棒状構造によって渦巻銀河の星形成が止まり,輝きが失われるのかもしれないと結論づけた。我々の銀河も棒状構造を持つ銀河だ。つまり,我々の銀河の将来を示すものといえるかもしれない。
Hubble