星がまさに誕生しているところ
2004_10_06
 
 かじき座にある大マゼラン雲は16万光年離れている。そこには星形成が進むたくさんの領域がある。今回観測された N11B は,大マゼラン雲の中では2番目に大きな星形成領域である。
 このイメージの外側にある星団によって,左側にある青い星や白い星の誕生が引き起こされている。これらの星は,われわれの知る星としてはもっとも質量の大きい星である。また,高温の星の周辺では星からの太陽風や放射によってガスが吹き飛ばされている。ガス同士が衝突し,周辺の雲は圧縮されて自らの重力でつぶされることで,新しい星が作られていくのである。
 さらに,中右側には,小さな雲のようなグロビュールと呼ばれる構造(暗黒星雲)がいくつか見られ,輝いている星間ガスによってシルエットとなって不思議な姿を見せている。グロビュールの縁が輝いているものもあるが,これは,近くにある高温星の放射によって蒸発しながら輝きを放っているためである。これらのグロビュールでは,星がまさに生み出されているところである。(AstroArtsより)
 
Hubble