ブラック アイ
2004_02_05
 
 M64はかみのけ座にあり,地球から約1700万光年の距離にある。メシエ天体の中では2番目に大きい銀河で,中心から少し離れたところに暗黒帯がある。この暗黒帯が小型の望遠鏡や天体写真では目のように見えることから,黒眼銀河(Black Eye galaxy)という別名を持つ。名前の由来にもなっている特徴的な暗黒帯,光を吸収するチリの帯で,画像からは,まぶしく光を放つ中心核を取り巻いて回転しているようすがよくわかる。
 一見すると普通の渦巻銀河に見えるM64だが,1990年代,注目すべき発見があった。銀河の外側のほうにあるガスが,内側の星やガスとは逆方向に回転していることが分かった。
 研究者たちは,10億年以上前にM64と衝突し吸収された伴銀河によってこの逆方向のガスの流れが引き起こされたと考えらている。吸収されてしまった銀河はほとんど完全に破壊されてしまい,その名残が銀河の外側におけるガスの逆回転として残っていると考えられる。
 M64のイメージはハッブルのワイドなフィールド平床式カメラ2(WFPC2)で撮られた。 カラー画像は,4つの異なるカラーフィルターを通して撮られた写真から合成写真としてつくられた。(AstroArts)
 
Hubble