超新星残骸 マグネター
2003_07_03
 
 このイメージはNASAのハッブル宇宙望遠鏡が1998年から2000年にかけて撮影した画像を合成して得られたものである。天体はN49あるいはDEM L190と分類されている。色の違いは,超新星爆発によって星から撒き散らされたさまざまな元素に対応しているが,これらの元素は,次世代の星や惑星を作る素材となるものである。
 N49の中心には,他の超新星残骸と同様に中性子星が存在している。この中性子星は8秒周期で自転しているが,より特徴的なのは,非常に強い磁場を持っているという点である。その強さは地球の磁場の1000兆倍にも達する。このように強い磁場をもつ天体は,特に「マグネター」と呼ばれている。
 また,N49の中性子星は「ソフトガンマ線リピーター」という種類の天体でもある。1979年3月のガンマ線バースト以来,何度かガンマ線が放射されているのが観測されている。さらに,N49の中性子星からはX線も放射されている。N49は見た目が美しい天体であるだけでなく,その中心にある中性子星からさまざまな研究を進められるという実を伴った天体なのである。(AstroArtsより)
 
Hubble