1万個もの微光星
 1999.0.0
 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した大マゼラン雲のイメージの中でも,もっとも暗い星まで写しだされたカラー写真が公開された。幅が約130光年の視野の中に,1万個もの微光星が写っている。
 大マゼラン雲は私たちの銀河系の伴銀河の一つとして知られており,その距離は16万8000光年である。銀河系内のダストによる光の吸収がほとんど無い状態で,他の銀河の中の状態を観測できるとあって,恒星の進化を研究する上で注目されている。
 この写真は,ハッブル宇宙望遠鏡に搭載されている観測機器である「Faint Object Spectrograph」が大マゼラン雲中の星形成領域として知られるタランチュラ星雲を長時間露光で観測中,別の観測機器である広視野惑星カメラ2が同時に撮影したものである。このため,これまでにもっとも露光時間をかけた大マゼラン雲内のイメージが撮影された。その後,この領域は別のカラーフィルターによる観測が行なわれ,今回の美しいカラーイメージができあがった。(AstroArtsより)
Hubble